Review

ジェイムズ・ヤッフェ「皇帝のキノコの秘密」―クラウディウス毒殺の謎

「ブロンクスのママ」シリーズで有名な作家ジェイムズ・ヤッフェは15歳の時EQMM誌に短編ミステリ「不可能犯罪課」を投稿し、同誌1943年7月号に掲載されデビューしている。その後このシリーズ全6作が同誌に掲載された。 「皇帝のキノコの秘密」は第5作目でEQM…

マックス・ウェーバー著、野口雅弘訳『支配についてI 官僚制・家産制・封建制』(岩波文庫、2023年)

先日出版されたマックス・ウェーバー著、野口雅弘訳『支配についてI 官僚制・家産制・封建制』(岩波文庫、2023年)を読んだ。訳者あとがきに「このテクストは百年以上前に書かれたものであり、現代社会について現代の人が書いた研究ではない。しかしそれで…

佐藤二葉『アンナ・コムネナ』3(星海社、2023年)

『アンナ・コムネナ』3巻を読んだ。皇子ヨハネスの初陣にあたって、彼の従兄弟たちも出陣することになる。その中にアレクシオス一世の弟ニケフォロスの息子アレクシオスがいた。彼をVarzosのコムネノス家のプロソポグラフィーで調べてみた*1。情報は少なく、…