Machiavelli, Niccolò, 1469-1527

グラウコンとマキァベッリ

ジョナサン・ハイト(高橋洋訳)『社会はなぜ左と右にわかれるのか : 対立を超えるための道徳心理学』(紀伊國屋書店、2014年)を読んだ。この本の中で「グラウコン主義」という用語が繰り返し用いられている。これはプラトンの『国家』第2章(357A-369B)で…

【追記あり】マキァヴェッリ『ディスコルシ』におけるタキトゥス『年代記』からの引用について(2)

*前回の記事のまとめ* マキァヴェッリ『ディスコルシ』2巻26章の末尾に"Nam facetiae asprae, quando nimium ex vero traxere, acrem sui memoriam relinquunt."というラテン語の一文があり、これはタキトゥス『年代記』15巻68章からの「引用」である。最…

【追記あり】マキァヴェッリ『ディスコルシ』におけるタキトゥス『年代記』からの引用について(1)

ルネサンス期フィレンツェの官吏、政治思想家ニッコロ・マキァヴェッリ(1469-1527)は『君主論』の著者として有名であるが、『ティトゥス・リウィウスの初篇十章にもとづく論考』Dicorsi sopra la prima deca di Tito Livio(略称『ディスコルシ』)という著…